なぜ中学受験をするのか?公立中学で良いのでは?をテーマに家族で話し合った。
こんばんは。ヒロです。
今日はとある日の晩餐の時、なぜ中学受験をするのかを語った話です。
おとう
「今日、公園でさ、ラーテルが友達にこんなことを言ってたんだよ。」
ラーテル
「僕はT中学に行くんだ。地元の公立中学校はレベルが低いから。」
友達
「・・・僕も行きたいな。」
おとう
「・・・絶句。」
嫁
「おとうが中学受験するなんて言うから、そんなこと言うんじゃない!」
「別に公立中学校は低レベルじゃなくて普通なのよ。」
「だいたい中学受験なんてする必要あるの?」
「愛知県は公立王国なんだし、私立なんて金持ちセレブなお子様の行く学校でしょ。」
おとう
「確かに通学できる範囲には、旭丘や明和、一宮といった公立進学校があるね。」
「東海中・高校と旭丘高校の進学実績を見ると、
東海の方が上だけど圧勝しているってほどでもない。」
嫁
「じゃあ、公立中学でいんじゃない?お金もかからないし。」
おとう
「目標が東大やその近辺のレベルの大学なら、だけれども、
公立中学に行くと3つの壁を越えなくてはならないよ。」
壁その1友達の壁
おとう
「壁その1は友達の壁。
まず、公立中学は社会の縮図だから、様々の層の子供たちがいる。
思春期に入る時期だから、だんだんと親よりも友達の影響が大きくなるんだ。」
嫁
「それのどこがいけないの?」
おとう
「つまり、勉強ができるってことに、価値を見出さない子たちに囲まれるってことだよ。
そんな環境で高いモチベーションを、保ち続けなくてはならない。
正直、自分の中学生時代を考えると、とても無理だと思う。」
嫁
「学校の勉強ができれば、問題ないでしょ。
後は高校に入ってから伸びるかどうかじゃない?」
おとう
「目標が地方国公立大学くらいならね。
東大となると、公立中学で1番はほとんど意味がない。
受験生の層が違ってくるんだ、東大生の約7割が中高一貫校出身者だよ。」
嫁
「東大なんて天才か宇宙人が行く大学でしょ?」
おとう
「たぶん、だけど、そうでもないと思うよ。
むしろ育ちの良い子たちの行く学校の頂点ってのが実態なんじゃないかな。」
壁その2 カリキュラムの壁
おとう
「壁その2はカリキュラムの壁。
公立中学では中学の勉強範囲を3年間で終わらせる。」
嫁
「当たりまえじゃない?」
おとう
「でその後、公立進学校に行くでしょ、
そこでは高校3年間の教科書程度の勉強を約2年で終わらせて、
残り約1年で受験レベルをこなすってシステムなんだけど。」
「これがとても非効率的なんだよ。
体感的には中学3年間の勉強範囲なんて高校の1学年分くらいじゃないかな。」
「登山に例えれば、前半は緩い坂だったのに、
後半は急こう配の難所が続くコースだよ。」
「だから脱落者がどんどん出るし、イメージとは逆で、
中高一貫校には自由放任校が多く、公立進学校にはスパルタ勉強監獄校が多いのは、
残り時間が少なくてそうせざる得ない事情がある訳だよ。」
嫁
「でも、それはみんな一緒じゃない?」
おとう
「それが違う。しっかり目的意識を持った家庭の子は違うんだなぁ。」
「公立進学校に入学してきたばかりの新1年生に、
センター試験をやらせてみると分かるんじゃないかな。」
「高校入試で出なかった差がはっきりと出てくるハズ。
そしてその差は大学入試まで変わらない。」
嫁
「本人の努力や責任じゃない所で差がついてるってこと?」
「じゃあ、ウチでもやれば、公立でいいんじゃない?」
おとう
「お金がなくなったらそうするよw」
その3公立高校入試の壁
おとう
「その3は公立高校入試の壁。
公立高校の入試は基礎的なテストと内申点の合算で合否判定するよね。」
嫁
「それのどこが問題なの?」
おとう
「基礎テストがぬる過ぎて、進学校入試では差がつかない。」
「内申点は勉強系5教科は定期テストの成績を無視できないから、
だいたい学力どおりになりやすい。」
嫁
「実技系4教科が決勝点になるってこと?」
おとう
「その通り。
でもそれじゃあ、
いくらなんでもマズイから出身中学は受験校によって内申点を調整する訳。」
「さてここで、質問です。」
「あなたが公立中学の先生だとして、自分の指示した宿題をやらず、授業を無視して内職ばかり。
それでいてテストの成績だけ良い学生をどう評価しますか?」
嫁
「最低の評価しかつけない。」
おとう
「それが人情ってもんだよね。」
嫁
「経験者の言うことには説得力があるわね。」
おとう
「・・・。今の自分ならちゃんと胡麻をするよ。中学生時代には無理!!」
嫁
「私はおとうとは逆で、内申点モリモリだったわ。」
「優等生にはわからない悩みね。」
おとう
「・・・。」
嫁
「で、学校の勉強中心にすれば問題解決じゃない?」
おとう
「そうは行かない。」
「鉄緑会などの一貫校生用の塾の勉強スピードとレベルの高さはすさまじいよ。」
「おおまかには中1で中学の教科書レベル全て、
中2と中3で高校の教科書レベル全て、
残りの高校3年間で入試対策をするんだよ。」
嫁
「入試対策で3年も必要なの?」
おとう
「東大や京大の二次試験対策には早い子でも2年は必要だと思うよ。」
「普通の子なら4年かかっても不思議じゃないね。」
「だから、公立コースに行くと公立高校入試の内申点対策の為に、
公立中学の勉強に真剣にお付き合いしなくてはならないよ。
その分の差は後で挽回しなくてはならなくなる。」
嫁
「先取り学習に十分な時間が掛けられないってことね。」
「悩ましいわね、私立中学はお金がかかるし、
私立だって塾や予備校に行くんでしょ?」
「お金があれば、解決じゃないの?」
「もっと働けば?」
おとう
「・・・できる限り善処いたします。」